石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(4)もう一つ上の世界
25日午後、神戸市の王子スタジアムで行われた関西大学との試合は、春とは思えぬほど熱のこもった戦いとなった。
双方ともに、秋の本番を意識しているのだろう。攻守ともに、この相手に勝たなくては甲子園への道は開けないと思い定めたようなプレーを連発。互いに一歩も譲らぬ気持ちをぶつけあった。
結果は17―9。後半、QB星野弟からWR小段へのホットラインが機能したファイターズが勝利したが、どちらが勝っても「よくやった。秋にもこんな試合を見せてくれ」と言いたくなるような戦いとなった。
先手を取ったのは、能力の高いQBとRBが息の合ったプレーで陣地を進めた関大。最初の攻撃シリーズこそハーフライン近くで止められたが、続くファイターズの攻撃で、QB星野の投じたパスを関大DLがはじき上げ、浮いた球を守備陣がキャッチして攻守交代。
思わぬ展開となったが、今度はファイターズ守備陣が踏ん張る。相手のラン攻撃をしっかり封じ込め、なんとかFGの3点を与えただけで食い止める。
次のファイターズは自陣20ヤードから。焦らず、ラン攻撃で陣地を進める。その圧力に押されたのか、相手守備陣がレイトヒットの反則。ファイターズはそれを機に相手陣に入り、仕上げはK大西の47ヤードFG。相手に傾きかけた流れを取り戻す。
3―3のまま2Qに入る。互いに相手の動きが読めてきたようだが、能力の高いQBとスピードにあふれたRBを有する関大の勢いは止まらない。それを必死に食い止めるファイターズの守備陣。互いに一歩も譲らぬまま前半終了。
3Qに入っても関大の勢いは止まらない。ファイターズのパスを奪い取って攻撃権を手にすると、ランプレーでぐいぐいと攻め込んでくる。それをファイターズ守備陣が必死に食い止めるが、FGを立て続けに決められ、3Q終了時点では9-3。
けれども、ファイターズの攻撃陣もQB星野からWR小段へのパスを武器にして攻撃の幅を広げ、テンポよく攻め込む。4Q開始早々、星野から小段へのパスを続けさまに通してTD。PATも決めて10-9と逆転。
こうなると、守備陣も勢いづく。次の相手攻撃をしっかり抑えてパントに追い込む。
勢いはファイターズ。即座に攻撃権を取り戻す。ここからRB平野のラン、WR百田へのパスと目先を変え、時間を使いながら陣地を進める。途中、一度は相手に攻撃権を奪われたが、守備陣が的確に対応し、即座にセンターライン付近で攻守交代。残り時間は5分を切っている。
ここからチームでも有数の安定感がある小段へのパス、RB平野のランなどで陣地を進め、相手ゴールに迫る。十分に時間を消費したと見極めたところで、再び小段へのパス。それが決まって16-9。キックも決まって17-9。厳しい戦いに勝利を収めた。
このように試合経過を振り返ると、ファイターズが順当に勝利を手にしたと思われる読者もおいでになるだろう。
しかし、前半の相手の戦い方、とりわけ運動能力の高い選手たちの動きを見ていると、とてもじゃないが、そんな気分にはなれない。それは試合でぶつかり合った選手にとっても同様であろう。
強い相手がいるから、勝ちたいという気持ちが生まれる。それが向上心を刺激し、もう一つ上の世界を見てみたくなる。その繰り返しで人は成長する。
それが、大学卒業後、60年近く現役の新聞記者として働いてきた私の実感である。ファイターズに身を置く諸君もまた、「もう一つ上の世界」を見るために頑張ってもらいたい。
双方ともに、秋の本番を意識しているのだろう。攻守ともに、この相手に勝たなくては甲子園への道は開けないと思い定めたようなプレーを連発。互いに一歩も譲らぬ気持ちをぶつけあった。
結果は17―9。後半、QB星野弟からWR小段へのホットラインが機能したファイターズが勝利したが、どちらが勝っても「よくやった。秋にもこんな試合を見せてくれ」と言いたくなるような戦いとなった。
先手を取ったのは、能力の高いQBとRBが息の合ったプレーで陣地を進めた関大。最初の攻撃シリーズこそハーフライン近くで止められたが、続くファイターズの攻撃で、QB星野の投じたパスを関大DLがはじき上げ、浮いた球を守備陣がキャッチして攻守交代。
思わぬ展開となったが、今度はファイターズ守備陣が踏ん張る。相手のラン攻撃をしっかり封じ込め、なんとかFGの3点を与えただけで食い止める。
次のファイターズは自陣20ヤードから。焦らず、ラン攻撃で陣地を進める。その圧力に押されたのか、相手守備陣がレイトヒットの反則。ファイターズはそれを機に相手陣に入り、仕上げはK大西の47ヤードFG。相手に傾きかけた流れを取り戻す。
3―3のまま2Qに入る。互いに相手の動きが読めてきたようだが、能力の高いQBとスピードにあふれたRBを有する関大の勢いは止まらない。それを必死に食い止めるファイターズの守備陣。互いに一歩も譲らぬまま前半終了。
3Qに入っても関大の勢いは止まらない。ファイターズのパスを奪い取って攻撃権を手にすると、ランプレーでぐいぐいと攻め込んでくる。それをファイターズ守備陣が必死に食い止めるが、FGを立て続けに決められ、3Q終了時点では9-3。
けれども、ファイターズの攻撃陣もQB星野からWR小段へのパスを武器にして攻撃の幅を広げ、テンポよく攻め込む。4Q開始早々、星野から小段へのパスを続けさまに通してTD。PATも決めて10-9と逆転。
こうなると、守備陣も勢いづく。次の相手攻撃をしっかり抑えてパントに追い込む。
勢いはファイターズ。即座に攻撃権を取り戻す。ここからRB平野のラン、WR百田へのパスと目先を変え、時間を使いながら陣地を進める。途中、一度は相手に攻撃権を奪われたが、守備陣が的確に対応し、即座にセンターライン付近で攻守交代。残り時間は5分を切っている。
ここからチームでも有数の安定感がある小段へのパス、RB平野のランなどで陣地を進め、相手ゴールに迫る。十分に時間を消費したと見極めたところで、再び小段へのパス。それが決まって16-9。キックも決まって17-9。厳しい戦いに勝利を収めた。
このように試合経過を振り返ると、ファイターズが順当に勝利を手にしたと思われる読者もおいでになるだろう。
しかし、前半の相手の戦い方、とりわけ運動能力の高い選手たちの動きを見ていると、とてもじゃないが、そんな気分にはなれない。それは試合でぶつかり合った選手にとっても同様であろう。
強い相手がいるから、勝ちたいという気持ちが生まれる。それが向上心を刺激し、もう一つ上の世界を見てみたくなる。その繰り返しで人は成長する。
それが、大学卒業後、60年近く現役の新聞記者として働いてきた私の実感である。ファイターズに身を置く諸君もまた、「もう一つ上の世界」を見るために頑張ってもらいたい。
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