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石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(14)悔しい結末
今季から学生アメリカンフットボールの頂点を競う甲子園ボウルの仕組みが変更になり、初めて関西リーグのチーム同士がトップの座を競うことになった。関西リーグを勝ち抜いた関西学院大学ファイターズと、リーグ戦では敗れたが、関東地区の代表校などを破って復活した立命館大学パンサーズ。互いにライバルとして戦ってきた両チームが今季を締めくくる晴れ舞台に上ったのだ。
天気は晴れ。しかし、甲子園球場につきものの浜風が強い。この浜風が勝敗のカギを握っているのでは、と余計な心配をしながら一塁側アルプス席最上段の席に着く。席の隣はファイターズが公式試合のたびに設営している放送席。チームの小野宏ディレクターたちが観客のみなさんに向けて、プレーの解説などをされる「ミニラジオ放送局」である。
午後1時40分、試合開始。ハーフライン付近から攻撃を始めた立命がQBキープ、WRへのミドルパスなどで陣地を進め、あっという間にゴール前15ヤード。そこからパスを決めてTD。あれよあれよという間に7ー0。
これで勢い付いた相手は、続くファイターズの攻撃を余裕で食い止め、自陣16ヤードから2度目の攻撃シリーズ。ここでもランとパス、それにQBのキープと目先を変えながら陣地を進め、最後はQBが左サイドを駆け上がってTD。キックも決めて14ー0。
この勢いに飲まれたのか、ファイターズの攻撃は進まない。あっという間にパントに追いやられる。けれども、ここでファイターズ守備陣が踏ん張る。4プレーで攻撃権を取り戻し、攻撃陣に反撃を託す。
しかし、次の攻撃シリーズも4プレーで終わり、またも相手の攻撃。それを守備陣が完封し、再び攻撃権はファイターズに。今度は、自陣34ヤードからという場所からの攻撃とあって、QBが星野兄に代わり、WR五十嵐に20ヤードのパスを投じて陣地を進め、最後はRB井上が1ヤードをダイブしてTD。K大西のキックも決まって14ー7と追い上げる。
けれども、相手は勢いに乗っている。QBのランで陣地を進め、長いパスを通してTD。あっという間に21ー7と引き離す。
しかし、再び登場したQB星野弟がWR小段へのパスで陣地を進め、自身のキープ、RB永井のランなどで相手陣奥深くに攻め込み、残る2ヤードを自身のランでTDに結びつけた。大西のキックも決まって21ー14。立ち上がりに2本のTDを決められ、苦しい戦いとなったが、何とか追い上げ、勝敗の行方を後半に持ち込んだ。
だが、この日の相手は一味違う。第3Qに入っても攻撃の勢いは衰えず、QBのランでTD。28ー14とリードを広げる。
この加点が効いたのか、ファイターズの攻撃陣には焦りのような雰囲気が生まれ、思い通りに攻撃が進まない。逆に相手守備陣にはゆとりが生まれ、それがファイターズの攻撃を止めるのに役立っていることがスタンドからでも見えてくる。
守備が安定すると、攻撃陣にもゆとりが生まれる。第4Qにもフィールドゴールとタッチダウンで10点を加え、最終のスコアは38ー14。ファイターズにとっては悔しさの募る結末となった。
外野から応援しているだけの私にとっても悔しい結末だが、それを悔やんでも仕方がない。今季限りでこのコラムを書くことを辞退させていただき、来年からは別の形でチームを応援させていただこうと考えている。長年のご愛読、本当にありがとうございました。心から感謝しています。
天気は晴れ。しかし、甲子園球場につきものの浜風が強い。この浜風が勝敗のカギを握っているのでは、と余計な心配をしながら一塁側アルプス席最上段の席に着く。席の隣はファイターズが公式試合のたびに設営している放送席。チームの小野宏ディレクターたちが観客のみなさんに向けて、プレーの解説などをされる「ミニラジオ放送局」である。
午後1時40分、試合開始。ハーフライン付近から攻撃を始めた立命がQBキープ、WRへのミドルパスなどで陣地を進め、あっという間にゴール前15ヤード。そこからパスを決めてTD。あれよあれよという間に7ー0。
これで勢い付いた相手は、続くファイターズの攻撃を余裕で食い止め、自陣16ヤードから2度目の攻撃シリーズ。ここでもランとパス、それにQBのキープと目先を変えながら陣地を進め、最後はQBが左サイドを駆け上がってTD。キックも決めて14ー0。
この勢いに飲まれたのか、ファイターズの攻撃は進まない。あっという間にパントに追いやられる。けれども、ここでファイターズ守備陣が踏ん張る。4プレーで攻撃権を取り戻し、攻撃陣に反撃を託す。
しかし、次の攻撃シリーズも4プレーで終わり、またも相手の攻撃。それを守備陣が完封し、再び攻撃権はファイターズに。今度は、自陣34ヤードからという場所からの攻撃とあって、QBが星野兄に代わり、WR五十嵐に20ヤードのパスを投じて陣地を進め、最後はRB井上が1ヤードをダイブしてTD。K大西のキックも決まって14ー7と追い上げる。
けれども、相手は勢いに乗っている。QBのランで陣地を進め、長いパスを通してTD。あっという間に21ー7と引き離す。
しかし、再び登場したQB星野弟がWR小段へのパスで陣地を進め、自身のキープ、RB永井のランなどで相手陣奥深くに攻め込み、残る2ヤードを自身のランでTDに結びつけた。大西のキックも決まって21ー14。立ち上がりに2本のTDを決められ、苦しい戦いとなったが、何とか追い上げ、勝敗の行方を後半に持ち込んだ。
だが、この日の相手は一味違う。第3Qに入っても攻撃の勢いは衰えず、QBのランでTD。28ー14とリードを広げる。
この加点が効いたのか、ファイターズの攻撃陣には焦りのような雰囲気が生まれ、思い通りに攻撃が進まない。逆に相手守備陣にはゆとりが生まれ、それがファイターズの攻撃を止めるのに役立っていることがスタンドからでも見えてくる。
守備が安定すると、攻撃陣にもゆとりが生まれる。第4Qにもフィールドゴールとタッチダウンで10点を加え、最終のスコアは38ー14。ファイターズにとっては悔しさの募る結末となった。
外野から応援しているだけの私にとっても悔しい結末だが、それを悔やんでも仕方がない。今季限りでこのコラムを書くことを辞退させていただき、来年からは別の形でチームを応援させていただこうと考えている。長年のご愛読、本当にありがとうございました。心から感謝しています。
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記事タイトル:(14)悔しい結末
(ブログタイトル:石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」)
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