主務ブログ2023 2012/12

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幸せの隠れ場所!?

投稿日時:2012/12/31(月) 23:35

 3日後にオービックとの試合を控えた大晦日。現役として最後のブログを書きたいと思う。
 最後のブログで何を書こうかと悩んだが、これしか思い浮かばなかった。この1年間、苦楽を共にしてきた仲間のことである。
 このブログでも再三書いてきたが、プレッシャーを背負って2012年のシーズンは始まった。負けはしたが4年振りのライスボウル出場。華やかな1月3日から一夜が明けた1月4日。昨日までの事が夢のように感じられた。チームを一から積み上げていくことに「希望」はほとんど感じなかった。行く先の「不安」だけが肩にのしかかる。このように感じていたのは私だけではないはずだ。
 そんな4年生の雰囲気はチームにも影響する。人間関係はドロドロであった。私は焦る気持ちが空回りをし、仲間に対して無理な要求、厳しいだけの言葉を浴びせるようなこともあった。その度に1人また1人と「チームから気持ちが剥がれ落ちていく」、そんな寂しい気持ちになったのを今も鮮明に覚えている。
 私一人の言動でチームを振り回してしまった。今考えている事とは正反対のことをしていた。その時の事を思い出すと、顔から火が出るほど恥ずかしい限り。振り回してしまった部員、特に4年生の多くには「申し訳なかった」と伝えたい。
 こんな私ではあったが、面と向かってぶつかって来てくれる仲間が多くいた。何の自慢にもならないが、4年生の中で一番、多くの人間と喧嘩、言い争いをしたように思う。しかし、その度に考えさせられ、気付きがあった。長く時間はかかったが、私が主務として、ファイターズの1人としての「役割」を噛み締めながら一生に一度しかないこの瞬間を生きていられるのは仲間のおかげである。感謝してもしきれない。
 大晦日の今日、この瞬間にも4年生は学校に出てきてビデオを観ている。「チームのリーダー」=4年生でオービックに勝ちたければ当たり前のことではあるが、「なぜもっとビデオを観ないのか」と私が問いただしていた春シーズン中は、このような集団になるとは想像もつかなかった。
 このように、私が最も幸せに感じるのは勝利の瞬間だけではない。主務という、客観視できる役職に就かせて貰ったからだろうか。「仲間の成長を感じる」その時は心が満たされるような思いになる。
 自分の事しか考えなかった人間が後輩のために時間を費やしている時。何事にもルーズであった人間が目標を定め、計画性を持って動いているのを感じた時。「他人の責任だ」と逃げていた人間から「俺がやってやる」と責任感が伝わってきた時。他人に感謝するようになった時。
 その様な行動は全てが「チームの為に」という言葉に集約されるのかもしれない。そんな瞬間が私にとって心が満たされる瞬間である。
 選手たちの役割はKick Offの瞬間から今まで積み上げてきた100%を出し切ること。それに対して私の主務としての役割は、今年のFIGHTERSを「サイドラインに立たせるその時まで」でその大半を終える事となる。
 京都大学戦を終えた頃だっただろうか。「4年生が、部員が、、全員が一人前になって東京ドームのサイドラインに立ちたい、立たせたい」と思うようになった。まだ目標が達成されたわけではない。私にとっての「その瞬間まで」歩みを止めるつもりはない。
 結果は、勝敗は、後からついてくる。私の周りには最強で最愛の仲間たちがいる。最後の最後までその仲間とともに、学生らしく、FIGHTERSらしいフットボール道を極め続ける。

考えて、考えて、考える。相手のことを。

投稿日時:2012/12/18(火) 11:41

 勝ちました。ラストプレー、堀本がボールを蹴った瞬間は時間が止まったかのようでした。

 こんな試合がしたかった。私のような立場の人間がこのようなことを言ってはいけないとも思うが、これが正直な気持ちだ。なぜか。
 今年のFIGHTERSも1人1人が「一人前」であるのか確かめたいからだ。もちろん京大戦、関大戦、立命戦の勝利は本当に嬉しかったが、常に相手を上回る点差を保つことができていた。
 「一人前」ならばどんなに苦しくても、怖くても逃げない。人はギリギリの状況に立たされた時にその人の真価が試されると考えている。誰もが「やばい」と頭の中によぎってしまう瞬間はある。しかし、自分の役割を仲間のため、目標のために全力でやりきる、それが「一人前」の必須条件であり、今後の人生における大きな力になるはずだと信じている。
 私が観てきたフットボールのゲームで最も記憶に残っているのが、2004年のプレーオフ。佐岡主将率いるFIGHTERSが一度は宿敵・立命館大学を破りはしたものの、次節の京都大学戦で敗戦し、再び立命館と戦うことになった試合だ。「雨の長居」と人々のあいだで語り継がれるほどの「えげつない試合」だ。
 雨でコンディションは最悪だったが、全員が自分の役割を全うし、仲間を信じてプレーをしている様にみえた。雨だろうが、1プレーぐらい止められようが、行かれようが、関係ない。目の前の1プレーに全身全霊を込めるだけ。この試合を観ていてそんな思いが伝わってくる。
 何回この試合を見ただろうか。ビデオを観ていても、この次のプレーがどんなプレーで、このシーンでアナウンサーがどんなコメントをして…。そんなことまで覚えてしまっている。ただ、アサイメントや技術的な部分を観ているのではない。雰囲気、1つ1つのブロック、タックル、1対1の気持ちぶつかり合いを観ている。観れば観るほど「こんな試合がしたい」と思っていた。
 一昨日の甲子園ボウル。後半戦は試合中にも関わらず、私は涙をこらえながらサイドラインに立っていた。それは、その時のスコアボード上での勝ち負けが理由ではない。苦しい場面から逃げたくなったのではない。単純に嬉しかったからだ。
 「やばい」場面は何回もあった。これまで今年のFIGHTERSが経験してこなかった重圧があった。それに飲まれてしまいそうな部員もいた。しかし、そんな場面でもグッと地に足を着けて、自分の役割、その一瞬一瞬でできることを全うする仲間が多くいた。雰囲気に飲まれそうな部員もそのような仲間の言動を見て、自分の「その時にやるべきこと、仲間のためにできること」を再確認し、心に再び熱い火が灯る。そんな場面を甲子園のフィールドで見るたびに目頭が熱くなった。

 ただ、満足はしていない。はっきり言って、立命館戦が終わってからの我々の「考え」はとても甘かった。試合の直前になって「なんでもっと口酸っぱく部員に対して警鐘を鳴らさなかったのか」後悔するほどだった。気持ちの入らない練習を目の前で見ていた。昨日の練習と同じミスを目の前で何回も見た。チームの幹部として、主務として最低な3週間だった。
 もっと対戦相手のことばかりを考えないといけない。相手が用意する作戦はもちろん、得意なプレー、不得意なプレー、試合の流れ、雰囲気、チャンスの時、ピンチな時。さらには、対戦相手の1人1人の日常、その時々の気持ちまで考える必要がある。考えれば考えるほどに心の底から力が湧いて出てくる。
 立命館大学との試合前がそうだった。シーズン当初から、部員が「立命」のワードを口にする回数は他に比べて圧倒的に多い。立命戦の前は寝ても覚めても立命。ぼーっと考え事をしていても気がつけば立命のことを考えている。
 「夢の中でも相手のことを考えておけや。」
 監督がよく我々に対しておっしゃる言葉だ。練習では自分の動きと相手選手の動き、癖、心情までを想像してシュミレーションをする。仲間のプレーに気になる点があれば話し合う。ミーティングではありとあらゆる作戦を洗い出し、それを我々の作戦と幾通りにもわたって当てはめる。トレーニングでも、日常でも…。監督が言うように、そこまで思えば夢の中でも「立命」は現れた。辛い時も立命のことを想い続けるからこそ踏ん張れる。ライバルの存在こそが原動力となった。
 言い訳だが、立命館大学という強敵を乗り越えた時、気がつけば雑念が多かったように思う。なにもサボっているわけではない。相手が見えていないわけでも全くもってない。立命の時とやっていることは全く同じ。しかし、立命戦前にあった感覚がない。「相手のことを考える」が足りなかったからだ。
 一昨日の試合はたまたま我々に勝利が転がり込んできたのかもしれない。試合の一瞬一瞬、どこかが違っていただけで私達は今頃、引退していたかもしれない。
 しかし、フットボールの神様は我々に最後の切符を与えてくれた。この時、本気になれないのなら、それはFIGHTERSではない。
 ライスボウルまであと16日。最後の最後まで相手のことを考え抜いて、仲間とフットボールで燃え尽きたいと思う。

◆追伸
 甲子園ボウルでは最後の笛が鳴るまで共に戦ってくださり、ありがとうございます。試合前のフィールドでの練習では応援団と一体となった皆様の声援に私の方が圧倒されてしました。相手チームにはより大きなプレッシャーになったのではないでしょうか。このような応援の中で戦うことができることに改めて感謝しています。
 ライスボウルで対戦する社会人チームは今までとは違います。我々同様、観客の声援も味方につけて戦ってくることが予想されますが、より一層の大きな、力強い声援をお願い致します。
 また、話は変わりますが12月19日水曜日の23:55~24:35フジテレビ系「すぽると!」"カレッジSPORT情熱∞"のコーナーにて甲子園ボウルの特集が放送されます!甲子園ボウル前は密着取材をしていただきました。是非ご覧下さい!
 それでは東京ドームでお会いしましょう!2012年のFIGHTERS最後の最後までお付き合いください!宜しくお願い致します!
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