石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」

(1)新しい年、新しいグラウンド

投稿日時:2019/04/08(月) 10:36rss

 4月。桜が咲き、年度が新たになって大学生活のすべてが一新される。
 ファイターズにとっても同様である。昨年度の活動をリードし、支えてきた4年生が卒業し、新たに寺岡主将をリーダーとする体制がスタート。「BLUE OUT」のスローガンを掲げて日々練習に励んでいる。ライスボウルの後、しばらく休んでいたこのコラムもまた、再スタートの季節である。
 ご存じの方も多いと思うが、毎年、新しいファイターズは後期試験が終った直後からスタートする。学内の施設を使った筋力トレーニングや甲山への登山道を走るメニューを嫌というほど続け、その後には2度に渡る千刈キャンプ場での合宿がある。人里離れた環境で、日夜アメフット漬けになって体力づくりに励み、筋力を養う。体がきしみ、悲鳴を上げる。限界すれすれまで選手を追い込むから、けがをする選手もいる。
 スマートな関学、戦術のファイターズという世間の評価とは裏腹な「千刈虎の穴」の猛訓練。しかし、冬、雪の降るような寒さの中で、そこまで追い込んだ練習を続けることで体は鍛えられ、意識も確実に上がる。ライスボウルの頃は、どちらかといえばスマートな体型だった選手がムキムキの筋肉マンになって上ヶ原に戻ってくる。
 今年は、とりわけその傾向が強い。本拠地としている第3フィールドが人工芝の張り替え工事で1月から3月末まで使えず、その分、基礎的なトレーニングに費やす時間が多かったからだ。
 けれども、春のシーズンまでの時間は限られている。どこかでボールを使った練習の時間を確保し、スキルアップの取り組みも必要になる。そこで3月からは、今日は第2フィールド、明日は野球部のグラウンド、その翌日は高等部のグラウンドと、日々、空いている時間と場所を探して練習を続けた。
 しかし、そのように努力しても、ほかのクラブの練習時間にはグラウンドは使えない。今日は朝から、明日は夕方からと、限られた時間の練習となるので、練習前の練習、練習後の練習の時間も十分にとれない。当然、グラウンドでの練習に割ける時間が足りなくなる。そのマイナス分と、体作りに取り組んだ時間の増加分との収支はどうなるのか。答えはシーズン終了後までは分からない。
 けれども、ひとつだけはっきりしていることがある。3月末に待望の芝生の張り替え工事が完了し、グラウンドの状態が一新されたことだ。それも人工芝の表面をはがして新たな人工芝を敷くだけではなく、その下の基礎部分から改修するという本格的な工事だ。当初は来年度に着手する計画だったというが、今秋の消費税増税を見越して、少しでも出費を少なくということで1年繰り上げて着工したそうだ。
 早速芝生に降りて、その感触を確かめた。人工芝が天然芝に近くなり、走りやすい。歩いてみた感触もいい。以前の人工芝よりも質感が数段上がっているのではないか。
 「すべては選手の安全のためです」と鳥内監督。「つるつるになった人工芝でけがをしたりする可能性を少しでも少なくしたかった。大学当局も僕らにヒアリングをしてくれ、しっかり整備してくれました。ありがたいことです」という。
 第3フィールドが完成し、ここがファイターズの本拠になったのは2006年度。柏木主将、野原副将の代で、その年は関西リーグを制覇しながら、甲子園ボウルでは法政に敗れている。第3フィールドが完成して学生日本1になったのはその翌年。QB三原君やWR秋山、岸、榊原、万代君らの活躍で華々しいパスオフェンスを展開。ライバルを圧倒して学生王者となり、ライスボウルでも敗れはしたが、史上最高のパスゲームを披露した。
 今年、第3フィールドは人工芝を全面的に張り替え、面目が一新された。ファイターズにとっても新たな出発の年になる。
 新たなグラウンドで、今季「BLUE OUT」というスローガンを掲げた面々はどこまで成長していくのか。首尾良く改装初年で「学生を圧倒」して日本1となり、自らの覚悟を証明してくれるのか。今季もまたチームに寄り添い、折々に報告していきたい。
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